地震動の作成
地震動の作成

培った「地震動」の技術を
より重大な使命の仕事にいかす

地震動の作成
竹越 美佳
2015年度入社
東京工業大学
環境理工学創造専攻
耐震設計を評価するための地震動を作成

耐震設計を評価するための地震動を作成

近年、地震が頻発し、将来においても巨大地震の発生が想定されています。地震被害を少しでも軽減するためには、事前に地震の揺れを予測していくことが重要となります。私が主に関わっている地震動作成業務では、新たに建てる建物、または既に建てられた建物の建設地点で想定される地震動の大きさをその付近にある断層や対象地点の地盤の固さや柔らかさを鑑みながらシミュレーションなどを用いて予測します。このようにして作成した地震動のデータは、地震に対する建物の耐震性評価や地震対策に使用されます。
他にも、将来の地震をより精度良く予測するための研究的業務も行っています。近年では、全国に多数の地震計が設置され膨大な観測データが蓄積されています。それにより、従来は見えていなかった地震の特徴が観測されるようになってきました。これらの新たな知見を基に、より精度よく地震をシミュレーションできる断層モデルの構築を目指しています。地震は自然現象ですから、新しいモデルができたとしても、それによってすべてが解明されるわけではありません。それでも、より安全な社会を目指して、地震と向き合い続けるのが私たちの使命です。

地震をシミュレーションできたときの喜び

地震をシミュレーションできたときの喜び

私は転職してKKEに入社したのですが、前職では人工地震波を使って地下に埋蔵された石油を探査する仕事に携わっていました。基本となる技術や知識は現在の業務と似ていますが、対象は大きく違います。現在の業務での地震動作成は、建物の耐震性に影響し人の生命や安全に関わるものですからささいなミスも許されません。「建物を建てる土地をボーリングして得られた地層のデータ」「国によって公開された活断層のデータ」など、用いるデータや解析過程に間違いがないか、社内外で二重三重のチェックを受けながら作業を進めます。ただし難しさだけでなく、楽しい瞬間も多々あります。たとえばシミュレーション結果が自分のもくろみ通りになったときも、その1つです。実際に起きた地震を再現したいが、うまくできない。そんな場面で、自分なりに地形や地層などを再検討し地震動をつくり直し、その結果、地震がうまくシミュレーションできたときなどは、ちょっとした充実感を味わうことができます。

SCHEDULE

ある1日の流れ

  • 9:00

    出社

  • 9:30

    メールチェック

  • 10:00

    チーム
    ミーティング
    解析作業
    (観測データ)

  • 12:00

    昼食

  • 13:00

    解析作業
    (観測データ)

  • 15:00

    共同作業者との
    打ち合わせなど

  • 16:00

    退社
    (育児のため時短勤務を利用)

技術や経験を次の世代に継承する

以前に勤めていた外資系企業は、個人の働き方がいうなればスタンドアロンで、良くも悪くも個人主義の色合いが強い環境でした。かたやKKEでは、キャリアが上の人たちは、時間をかけて若手にアドバイスをしたり、業務をチェックしたりしています。技術や経験をしっかりと次の世代につなげている会社だといえます。また、周囲の人たちを見ていると、個人が「自分はこれができる」という技術を持っていて、その強みを究めていくことで、新しいビジネスが生まれるという文化がある会社だとも感じています。私自身は、まだ何も究めることができていません。それでも、蓄積してきた地震動の知識や英語でのコミュニケーション力という強みを磨いていけば、世界的に一歩先を行く日本の地震動の知見を海外の国々に広めていくという動きに貢献できるのではないか?と思っています。