電波伝搬
電波伝搬

企業や国を越えて活動し
電波利用のフロンティアに挑む

電波伝搬
吉敷 由起子
2002年度入社
電気通信大学大学院
電気通信学研究科 電子工学専攻
目に見えない電波を解き明かす

目に見えない電波を解き明かす

私の部署では、電波の伝わり方や障害物から受ける影響など、「電波伝搬」に関わるビジネスを行っています。電波がどうしてつながらないかをシミュレーション技術を使って解明し、しっかりと電波がつながるようにするための対策を考えます。以前は、携帯電話の通信キャリアが主なクライアントでしたが、近年はIoTの進展により、お客さまも多様になってきています。電波は、現在は情報を送る手段ですが、将来はエネルギー、電気を送る手段としても可能性が広がっています。KKEが蓄積する電波伝搬に関する知見の価値はますます高くなっていくと思われます。また私は、電波利用において、使用する周波数や出力について厳格なルールを定めるITU(国際電気通信連合)のスタディグループに参加する日本代表団の業務にも携わっています。ITUでの決定事項は「ITU勧告」などの形で各国に周知され、電波利用の教科書となり、政策担当者や無線技術者の虎の巻となるものですから、グローバルな意義のある仕事といえます。

国際基準の策定に貢献する

国際基準の策定に貢献する

KKEの業務では、部長として自分の部門の方針を考え、実行する計画を立て、部員に説明するという役割を担っています。進行中のプロジェクトについて、各リーダーから報告や相談を受け、指示を出します。顧客からの相談が寄せられれば、直接、ヒアリングに訪問することもあります。その他、最新技術や業界動向を知るため、展示会や学会などに参加することも欠かすことのできない仕事です。一方ITUの業務では、ある小さな会議で議長を務めるという経験をしました。英語は得意ではありませんでしたから、会議を進行する議長の台詞をあらかじめ英文で作成して、何回も練習し、当日に臨みました。ところが本番では、議長として会議を進行するだけでなく、各国の協議をリードしなくてはならない場面も出てきました。予想外の事態でしたが、日本代表団団長の助言をもらいながら、グローバルスタンダードとなる国際標準化文書をまとめるという重責を果たすことができました。

SCHEDULE

ある1日の流れ

  • 8:15

    出社
    メール確認、
    返信など
    (自分の時間)

  • 9:00

    週定例会議、
    プロジェクト
    会議など

  • 12:00

    昼食

  • 13:00

    部員や営業部など
    からの相談の対応

  • 14:00

    業績関係の
    資料作成など

  • 15:00

    顧客訪問、
    学会関係の訪問

  • 17:15

    退社

成長し、仕事を広げられる環境

「大学・研究機関と産業界をブリッジする」という経営理念にある通り、学会活動や大学の先生方との関わりを持ちやすく、それによって新しい技術の習得や既存の技術の深堀りをすることができる環境です。誰もが机の上に技術書を置きながら、プロジェクトを通して勉強し、勉強する仲間をお互いが尊敬しています。また毎年、数名が社会人ドクターとして大学に行っています。私も社会人ドクターとして研究活動をし、そのことがきっかけで、国際会議で賞をいただき、ITUの仕事をする機会を得ることができました。他にも、総務省の情報通信審議会 情報通信技術分科会 ITU部会 電波伝搬委員会 専門委員に就任するなど、仕事のフィールドを大きく広げることができました。