20名の所員が語る、KKEのシゴト

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環境にやさしい
ものづくりを研究

松山 祐樹

Yuki Matsuyama

  • 新卒
  • クラウド

機械工学専攻

NavVis事業室

私は大学で機械工学を専攻しました。博士課程では、エコ製品やエコ設計などとも呼ばれる「環境にやさしいものづくり」を研究しました。例えばパソコンでは「都市鉱山」と呼ばれる高価な希少金属を廃品から回収できるのですが、ものづくりのプロセスで設計段階から素材を効率よくリサイクルできる仕組みを組み込む必要があります。この仕組みはメーカーだけでなく、社会全体が実装していかなければなりません。そのため、製品と社会を関係づけて設計することができるシミュレーションツールを開発しました。

こういった研究を進める中で、いかに技術を社会に実装していくことができるかが重要と感じ、また「誰かのためになっている」実感を求め、企業へ就職することを決めました。その際に、研究室でKKEのパンフレットを読んでKKEを知り、その中に「大学、研究機関と実業界をブリッジする」「社会シミュレーションの実装」という企業理念や事業ドメインがあって、大変、親近感を持ちました。

事業を一から立ち上げる

2016年に29歳で入社して、NavVisビジネスを推進するチームに配属となりました。NavVisビジネスの初期段階で、市場も決まっておらず、技術から営業まで手探りで試行錯誤しました。ドイツで始まった事業ではありますが、次第に日独の事業環境や社会ニーズがが少し違っていることに気がつきました。日本では駅や橋桁といったインフラのメインテナンスにニーズがあるのでは?という仮説を立てて営業に挑みました。

当初はPoC( Proof Of Concept:目的とする効果・成果が得られるかを確認するために実験的に使用いただくこと)や少額案件から始めて、次第に大きな案件を獲得することができるようになりましたが、それまでには大きな苦労がありました。それを乗り越えるために、「現場の生の声を聴くこと」、「品質とスピード重視」、「NavVisの技術範囲を誠実に伝えつつ当社の技術力を付加して課題解決の提案をすること」の3点を心掛けてきました。

また、当時、ドイツNavVis社から輸入販売していたハードが大き過ぎて計測が難しかったので、日本独自でスマートフォンと360度カメラを合体してハンディ型の測定器を作り、狭いところでもストリートビューを作れるようにしました。例えると運転初心者に大きな高級車を販売するのは難しいので、まず中古車やレンタカーで、自分で運転することのメリットを体感してもらうイメージです。この試みはドイツ本社でも評価いただき、その後は小型計測器が開発されるようになっていきました。

最近取り組んでいる面白いテーマは、神社仏閣や地方都市にある文化財のデジタルアーカイブ化です。NavVisを使えば、広域であっても安価かつ綺麗な3Dモデルが作れますので、改修や増築をしたら実際にどういう景観になるのかシミュレーションをし、地域での合意形成や意思決定に役立てることもできます。

業務全体のやりがいとしては、単に、「NavVisによる計測やビューワ利用」だけでなく「NavVis点群データからのCAD/BIMモデル作成」、「3Dデータの作成と運用に関するコンサル」という」といったように、NavVisとKKEの技術力を融合させ、KKEの既存技術や人才の総合力を生かして社会に価値提供をすることができているという自負があります。

足と頭の両方を動かすことが面白い人

NavVisという技術に関しては自らがプロとしての自覚を持っていますが、お客様の業務はお客様自身が一番知っています。なので、お客様の生の声を聴きに行ったり、自分の目で見てお客様の体験を再体験してみるといった、頭だけでなく足と頭の両方を動かすことが大事ではないかと思います。例えば、水力発電所はだいたい僻地にあり、近くの事務所から険しい山道を片道2時間かけて行って、現場で10分見て戻ってくるということがありました。水力発電所で働く方々にとっては片道の移動ではなく、現場に行って設備の配置や状況を確認することが本当の業務です。この不要な移動を削減すれば、業務を効率化し、本当に必要な作業により多くの時間を割くことができるのではないかと考え、お客様にご提案し、ご導入いただいてから5年経ったいまでもご利用いただいております。

KKEはシーズ(技術)を提供する会社ですが、社会やお客様の真のニーズを身体で理解し、シーズとニーズを結びつけることを行っており、それが面白いと感じられる人が向いていると思います。