大学では数学を学びましたが、次第に「人はどうやって学ぶのか」という学習過程に興味を持つようになり、大学院では教育専攻として心理学(行動分析学)を学びました。研究室では学習性無力感(「やってもできない」と感じて学習を諦めてしまうこと)をテーマに、大学を中退しそうな生徒を支援するための教育プログラムを開発していました。振り返ると、学問のテーマにとどまらず、プライベートでも「自分はどんな人と関わるのか」「人は何をどのように考えているのか」に興味を持っており、その好奇心は今も変わっていません。
就職活動を進める中で、業務内容だけでなく「どんな人が働いているのか」という視点も重要だと考えるようになりました。知人から「人の意思決定を支援する仕事をしている企業がある」と聞き、KKEの存在を知りました。会社説明会に参加し、代表の服部さんや所員の方々のお話を聞いて、利益ばかりを追求するのではなく、業務を通じてどのように社会に貢献するかという視点を大切にしていることが印象的でした。また、多くの方が自身の業務を熱心に語っており、情熱を持って仕事に取り組んでいる様子が伝わってきました。そうした方々と一緒に働きたいと感じ、KKEに入社を決意しました。
人と「共創」する
入社してからは、オペレーションズ・リサーチを使って問題解決をする部署に配属され、希望していたお客様の意思決定を支援する業務に従事することができました。様々な業種のお客様の課題解決に取り組みましたが、大手海運企業から受託したコンテナ船の積み付けに関するプロジェクトは、私にとって大きな転機となりました。元々は「コンテナをコンテナ船のどこに積むべきか」という課題の解決支援を行うプロジェクトでしたが、その成果をお客様から高く評価していただき、コンテナの積み付けプラン作成業務そのものを受託するという大きな事業に繋がりました。
他社の業務を当社が担当するというのは、前例のないことでした。事業を熊本で立ち上げることが決まり、私はその組織の立ち上げに参加しました。業務フローの整理や理解、マニュアル作成、採用、プランニングの実務、チームマネジメントなど、これまで経験したことのない業務ばかりで多くの苦労がありました。しかし、海運事業者をはじめとしたKKEとは異なる知識やスキルを持ったメンバーと、時には活発に議論を交わしながら組織を立ち上げていく日々は非常に刺激的で楽しく、まさに、KKEが掲げる「共創」を実践した日々だったと言えます。
その後様々な業務を経験しましたが、「もっと多様な人々と関わりたい」「SaaSビジネスに挑戦したい」との想いから、現在はSendGridというメール配信サービスの事業に携わっています。
SendGridは、Twilio社が提供するクラウドメール配信サービスで、世界中で月間1000億通のメールを送信できるプラットフォームを備えています。SNSやチャットが普及する中でも、企業にとって会員登録完了通知やメルマガ配信など、メールは依然として重要なコミュニケーション手段です。メールを宛先に届けるのは実は簡単なことではなく、特に大量のメール配信では、SendGridのようなメール配信サービスが重要な役割を果たします。私はSendGridのサポートエンジニアとして、メール配信に関するお客様の課題解決に取り組んでいます。
SendGridでは、お客様へのサポート業務をすべてメールで対応しています。サポート業務と言うと、定型的な対応をイメージされるかもしれません。私も業務に取り組むまではそのような業務になるのではないかと不安を感じていました。しかし、実際にやってみると、多様な業界からのお問い合わせに的確に対応することは非常に難しく、これまで従事してきたコンサルティング業務と共通する点が多いことが分かりました。お客様と直接会話せずにメールで対応するため、課題の背景や本質を理解するのが難しく、言葉の選び方で誤解が生じることもあります。それでも、サポートを通じてお客様の状況を理解し、解決に導く過程にやりがいを感じています。
また私たちは、品質に強いこだわりを持っており、お問い合わせへの回答も徹底的にレビューして、お客様に良い体験を提供できるよう真摯に取り組んでいます。
「技術力の高さと人の良さの両輪」がKKEの特色
KKEは、本人がやる気さえあれば学習する機会を与えてくれる環境があり、また学ぶことに対して投資を惜しまない姿勢を持つ会社だと思います。
KKEに来てほしい人才像としては、柔軟性がある人、素直さがある人、他の資質を有する人を尊重して「共創」ができる人など様々ありますが、一言で言うと「人柄」に尽きます。仕事をする上では、もちろん技術力も重要ですが、人の良さとの両輪があるのがKKEの特色だと思います。