20名の所員が語る、KKEのシゴト

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学際的設計エンジニア
としての成長

ユジェル・メラル

Yucel Meral

  • グローバル
  • 技術コンサル
  • 東京

環境・社会理工学院 融合理工学系

構造設計部、事業開発部海外ビジネス推進室(兼務)

個人の成長が社会として成長に繋がるKKE

私はイスタンブール工科大学院「ITU」の建築学専攻修士課程で、自然と調和する建築設計を目指して「建築環境制御と技術」というプログラムを学び、高層ビルの周辺環境への風影響を風洞実験により評価する研究を行いました。その後、東京工業大学の博士課程に入るために来日し、研究対象領域をスケールアップして、都市における温熱、風の数値解析を行いました。

博士研究員で環境省のS‐14という「アジアのメガシティにおける緩和を考慮した適応策の実施事例研究」プロジェクトに参加し、ジャカルタの街を冠水から守るため、巨大防潮堤建設における、都市部における風・温熱環境への影響を研究しました。このプロジェクトで3年間働いた後、東工大で開かれていたキャリア支援イベント「K-meet」に参加して、KKEに出会いました。

就職を決めた理由は3つあります。まず、KKEの企業理念が私の価値観に合っていました。大学の研究成果を社会に還元する橋渡しとしてより良い住環境を実現する役割を担いたいと思います。次に、外国人の女性として、平等な機会を促進し、個人の成長を気にかける会社で働きたいと思いました。KKEに就職するというのは個人の成長を意味し、同時に組織と社会の成長につながると考えました。三番目に、創業者である服部所長は同じ東工大を卒業し、ベンチャーとしてKKEを設立されましたが、私も事業開発に寄与できる研究開発と共に「次世代の社会構築」に貢献する仕事がしたいと思いました。

学際的な設計エンジニアとして成長

業務では、構造設計・技術部に配属されてから、アートオブジェの構造解析、鉄筋コンクリート、CLT建物のプロジェクト等幅広くプロジェクトに携わりました。同僚や先輩とのディスカッションを通じて、構造設計の基礎知識を多面的に身につけることができました。部門では、構造プロジェクトだけでなく、マーケティング、ネットワーキング、事業開発などの経営管理アプローチについて学びながら、私の専門分野を超えて知識を広げる機会になりました。

現代では、各分野の境界が曖昧になり、一つの分野の知見だけでは問題に答えられないようになりました。だからこそ、KKEが推奨しているデザインとエンジニアリングの統合されたアプローチが求められ、それは、革新的で創造的なソリューションを提案するためにも必要だと思います。そして、そのことがKKEにおける私自身の学際的な設計エンジニアとして成長につながっています。

KKE GREEN CHALLENGE 2056

KKEには年一回、「社内公募」というビジネスコンテストがあるのですが、京都大学と共同研究で開発した「Bio_FlexShade」という気候適応型シェーディングシステムが「最優秀賞」を受賞しました。それは、温度と湿度変動に応じて自己形成する、エネルギーを必要としない持続可動なシェーディングデバイスです。これは現在、特許出願をしており、屋外性能実験の後、実用化の検討を進めています。

もう一つ「未来投資」という全社の持続的な成長の実現に向けて、ビジネスシーズから次世代を担う事業の育成を支援する取り組みで選ばれたテーマが、環境配慮建築設計とコンサルティングです。この取り組みのミッションでは、創業者である服部所長の言葉として「世の中で一番贅沢なことは人の為に一生懸命尽くしてその人の喜ぶのをひそかに見て楽しむことだ」と残っているDNAを引き継ぎ、地球環境に対してより良い社会を生み出すことを目指し、「KKE GREEN CHALLENGE 2056」と銘打ち、地球への負荷を削減し、未来の世代に繋がるレジリエンスと持続可能な住環境の創造を目指します。

日本を超えて環境に配慮したレジリエンスな社会の実現

私は日本のように地震が多いトルコから来ました。 M7以上の地震が今後70年以内にイスタンブールを襲う可能性は95%です。イスタンブールの1,500万人の住民のうち10%以上が家を失うことになります。したがって、トルコの国家地震戦略と行動計画では、経済的、社会的、環境的被害を防ぎ、その影響を減らす耐震性と持続可能な建設を定めています。 私は、この脆弱性に関連して母国に貢献する責任を感じています。 そして、災害リスク削減に関するトルコと日本の合同セミナーで、KKEの持続可能・レジリエント設計ソリューションであるCLT技術を紹介する機会を得ました。それは小さな一歩であり、今後もKKEの「海外ビジネス推進」により真剣に取り組み、計画的に行動していきたいと思います。