日本の製造技術に憧れて
私の出身はインド北部にあるアリーガルという都市です。大学ではメカニカル・エンジリアリングを専攻、自動車のエンジンや製造プロセスを学びました。ATV(all-terrain vehicle)という自作バギーの大会に参加して実際に出場車を組み立て、ドライバーとして運転したこともあります。そのあとシンガポールの大学院に進みました。
製造と技術の大国である日本には、もともと憧れを持っていました。そこでアセアンキャリア・フェアという日本の就職イベントに参加しました。
たくさんの製造業の会社が参加していましたが、その中で一番良いと思ったのがKKEです。まだ日本語が話せない私に、KKEの所員の方は「大丈夫です。入社してから勉強してください」と言ってくれました。また、仕事の分野や進め方のほか、所員一人ひとりが平等に評価され、外国人も働きやすいことなどを聞いて、この会社で働くことを決めました。
実際に入社した後も、日本語や日本文化を知らない私に、KKEの先輩や部長は親身になっていろいろなアドバイスをくれました。例えば、お客様と打ち合わせをする時に、スーツ・ネクタイを着用すること、座る場所をどうするか、など日本なら当たり前でも、海外ではルールがないようなことも丁寧に教えてもらいました。日本語は、会社が日本語教師の方を用意してくれて、平日朝9〜12時の3時間勉強し、漢字の読み書きから敬語の使い方まで1年間学んでマスターしました。
磁気式・非破壊検査デバイスで日本の製造業を変えていく
入社以来、「3MA」というドイツ発の磁気式・非破壊検査デバイスの国内企業への導入に従事しています。工業製品の品質の検証方法としては、サンプルを抜き取った破壊検査が一般的ですが、破壊に伴う材料費や検査時間の長さが課題としてあります。このデバイスは磁気に反応する鉄製品の構造や、硬さ、強度などを、製品を破壊することなくわずか数秒で実際の正確な数値として検出することができます。非常に新しい技術で、将来日本の製造業の品質保証手法に劇的な変化をもたらすと信じています。
最初の2年は、「3MA」についての論文や書籍を読んで技術の仕組みを理解しました。今は技術開発とマーケティング活動を同時にやっています。年3回、ものづくりの企業カンファレンスに「3MA」を出展し、鉄鋼メーカや自動車メーカへのプレゼンテーションや商談を行っています。将来は電力、風力など新しい分野での用途拡大をしていきたいと思っています。「3MA」の価値を最大限に発揮していく上でも重要であるはずです。
仕事以外では体を動かすことが大好きです。会社の部活動を通して同僚と野球、スキー、サーフィンなどをしています。また、会社の地下室にはビリヤード台もあり企業対抗のビリヤード大会に出場し、チームの一員として優勝したこともありました。
多文化・多様性を尊重する会社で、是非チャレンジを
KKEにフィットするのはチャレンジ精神に富み、失敗を恐れずに新しい仕事をやりたい人だと思います。成功か失敗かにとらわれず、挑戦するプロセスを知るという経験がまずは大事になります。
私はムスリム(イスラム教徒)なのですが、KKEでは忘年会などのイベントで提供される食べ物もハラルフードで日常的に礼拝ができる部屋もあります。本当に多文化性や多様性を大事にする会社だとしみじみ思います。