土木の領域で、自分の技術力を高めていきたい
前職ではプラントエンジニアリング企業で土木設計に従事し、カタールやベネズエラ、ベトナム、インドネシアなど、いくつもの巨大化学プラントに参画しました。国内で1年程度設計を行い、それから海外現場に駐在し、自らが設計した構造物の現場設計監理を行う、というスケジュールで国内外を行き来していました。多様なメンバーとチーム一丸となって国家規模のプロジェクトを成し遂げる経験は、エンジニアとしての醍醐味を感じられるもので、大変にやり甲斐がありました。一方で、これまでの実績や成果はあくまでも優秀な先輩や同僚のサポートのお陰で、個人としての技術力を高めて行かないといずれ行き詰まるのではないか。キャリアを積んでいく過程で、技術者としてそのような思いを抱くようになったときにKKEを知り、「社会の課題をエンジニアリングで解決する」というキーワードにピンときました。
これまでの設計業務で経験してきた構造解析と比べると、KKEの解析業務は特殊で難易度が高いため不安はありましたが、自分自身の技術力にチャレンジしたいという想いから入社を決意しました。
有限要素法からその先へ 〜 技術者としての矜持を確かめながら
現在は有限要素法という手法を用いて、土木・建築構造物を対象とした構造解析評価を実施し、提案を行う業務を担当しています。例えば、道路橋の補修や改修を行う場合、古い設計基準で設計された橋に対して、新しい基準のより厳しくなった荷重を考慮することとなりますが、通常の設計手法を用いた場合、実際の施工を考えるととても現実的ではない広い範囲で補強が必要という結果となってしまうことがあります。そこで有限要素法を用い、通常の設計では保守的に簡略化していた橋の形状や材料特性をより精緻にモデル化し、解析を行います。これにより、実際の構造物により近い状態で評価を行うことができ、構造上本当に必要な補強箇所を特定することができ、コストや時間を節約する、より最適化した土木設計を行うことが可能になるのです。
KKEの良さは、その技術のプロとして責任を持って仕事を任せてもらえるところです。上から、こうしろああしろ、と命令されることはほとんどありません。エンジニアとしての矜持と自律心、そして人間力を持った、おとなしいけれど良い意味で“頑な”な人がたくさんいる会社。マニュアルには決して書ききれない、有機的で多面的な、人を育てていくのに最適な風土と場が、ここにはあります。
前職で巨大プラントに従事して数多くの現場体験、そして実際の土木や建物をこの眼で見てきたことが、今の仕事にも活かせていると感じます。今後の目標は道路や橋の仕事から、さらに河川や港湾などへと対象物を広げていくこと。そして、有限要素法だけでなく、流体解析や地震動など、解析手法を幅も広げていきたいですね。この2つを目標にしています。
長いプロセスをむしろ楽しめる人。そのプロセスにチャンスがある
お客様はKKEに絶対の信頼を置き、構造物の設計から施工までのプロセスの中で最も技術的に難しい部分を任せてくれています。期待に応えるハードルは非常に高いですが、そのような厳しくも恵まれた環境では、エンジニアとしての技術力は、個々のお客様から提示される新しい課題に真摯に取り組むことで、自然に向上していくものだと捉えています。また、解析の仕事は、最後の解が明らかである場合はほとんどなく、それに至るまでの試行錯誤、トライアンドエラーの道行きは、非常に地味で泥臭いです。そのようなプロセスを、むしろ一緒に楽しめる人。そしてそのプロセスを通じて自律的に技術力を高めていきたい人。そういう人とこれからのKKEを共に創っていきたいと思っています。